旅行記~ヨーロッパの真ん中から

欧州からの旅を、ひとこと英語と共に綴っていきたいと思います。

デュッセルドルフで盗難にあった件:ドイツの治安は悪化する一方

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出張や旅行が重なり、すっかり久しぶりのブログ更新となってしまいました。

 

Xでは既につぶやいたのですが、今日は2月に出張先のデュッセルドルフで盗難にあいました。

 

現地警察の話など、注意喚起の意味も含めてお伝えしたいと思います。

 

目次

 

1.デュッセルドルフの現在の治安

 

デュッセルドルフと言えばドイツ最大の、欧州でもロンドン、パリに次いで3番目に大きいの日本人街があることでも有名ですね。

 

私もこれまで何度も仕事・プライベートで訪れてきて、ドイツにいながら日本に帰国したような素敵な体験を数々してきました。(一連の記事はこちら

 

かつては治安も良く、本当に日本のような雰囲気だったのですが、1年ぶりに訪れたかの地は、中央駅を降りてから、これまでにない何とも言えない、いや~な雰囲気を醸し出していました。

 

ここ数年は明らかに地元の人ではない、難民・移民系の増加を感じてはいたのですが、今回はその数がMAXレベルで、治安の悪さをすぐさま察しました。

 

元々、中央駅周辺は治安が良くないのですが、日本企業やお店が多く集まるImmermann通りは駅から近く、今回の宿泊もその通りのMotelOneにとってあったので、注意を最大限にして歩いていきました。

 

日本語があふれるImmermann str.

20250402211506

 

2.ホテルのロビーは事件多発現場!~犯罪の手口

 

無事にホテルにチェックインし、飲料水などの買い物などもすませ、仕事上の待ち合わせであった旧ホテルニッコー、現Clayton Hotelのロビーに向かいました。

 

フロントの一番近くのソファに座って、約束の人が現れるのを待っていましたが、その日は連休前の金曜日ともあり、かなり混みあっていました。

 

特に、日本人と思われるビジネスマンも多く見かけたので、ロビー内は文字通り「リトルトーキョー」と化していたのを覚えています。

 

そんな中、隣のソファに中東風の褐色の肌にひげを蓄えた男性が座り「写真を撮ってくれませんか?」と、スマホを差し出してきました。

 

日本人ばかりのホテルロビーで、すっかり日本人の親切マインドに戻っていた私は浅はかにも「リトルトーキョーに観光に来たのかな?」と思い、すかさず「いいですよ!」と、それまで膝に置いていたカバンとコートをソファの上に置いて立ち上がり、スマホで撮影しようとしました。

 

その瞬間、背後で「ガタン!」と音がしたので、振り返ると、置いたはずのカバンが瞬時に消えていました。

 

一瞬、何が起こったのかわからず、頭の中が真っ白に!

 

「写真をとって下さい」といった男性とグルの人が、私の背後にいて、一瞬のすきをついて、カバンを盗んだのです!

 

カバンの中には、クレカ、銀行カード、健康保険証カード、現金少しが入った財布、日本とドイツのスマホ計2台、ドイツの滞在許可証、ベルリンへの帰りの電車のチケットなどが入っていたので、「積んだ…明日、ベルリンに帰ることはできない」とパニックになりました。

 

ふと、前を見ると、さきほどの中東系の男性が出口に向かっているのが見えましたが、すぐに人混みの中に消えてしまいました。

 

すぐさま、大声でフロントに伝えたのですが、長蛇の列のチェックイン客たちをさばくのに忙しい様子で、犯人を追いかけてくれたのは、少し後になってのことでした。

 

背後を見ても、見物人と思われるような人しかおらず、「カバンを見ませんでしたか?」と聞いても、首を横にふるばかり。

 

4つ星ホテルのロビーで起こったことが信じられなかったのですが。後の警察談によると、ホテルのロビーは様々な人々が行きかう場所なので、このような犯罪がよく起こるそう。

 

確かに、外務省のホームページにも「ホテルのロビーでは気を付けるよう」注意喚起がされていました。

 

3.盗難時の対処方法

幸い、待ち合わせ人はドイツ人の配偶者と一緒に現れたので、事情を説明すると「私も手伝うので、まず、携帯電話、クレカ、銀行カードを止めましょう」とパニックに陥っている私に冷静に諭してくれました。

 

しかし、スマホを取られてしまったので、自分の携帯電話番号も、家族の電話番号も何もわかりません💦

 

この時ほど、スマホに依存しきっている現実を思い知らされたことはありませんでした。

 

しばし冷静に考えて、チェックインしたホテルMotel Oneには、私の情報があるだろうと思い、Clayton Hotelの対面にあるMotel Oneに向かいました。

 

すると、案の定、電話番号は登録されていたので番号がわかり、スマホはほどなくして止めることができました👍

 

(日本のスマホは、日本の格安SIMが入っていたので、翌日自宅に戻ってからネットで止めました)

 

また、幸いなことに、その日に限ってタブレットを持参しており、部屋に置いてきていました。

 

ですから、タブレットをホテルのWifiにつなぎながら、クレジットカードや銀行カードの緊急連絡先を調べて、こちらもほどなくして止めることができました👍

 

4.警察の話と戻ってきたカバン

 

Clayton Hotelは、すぐに動いてくれませんでしたが、MotelOneのスタッフは親身になって協力してくださり、警察も呼んでくれました。

 

ひととおり事情を説明すると、警察の方は「最近、その手の犯罪が非常に多いのだけど、今はカーニバルの時期で、ヨーロッパ中から窃盗団がここに集結しているから、さらにひどいんだよ」と。

 

(実際、この夜は30分おきにパトカーの音が鳴り響き、眠ることができませんでした。)

 

ベルリンはカーニバルとはほぼ無縁ですが、ケルン、デュッセルドルフ、バイエルンなどでは、2月は盛大にお祝いが行われます。

 

同じドイツとはいえ、地域差が大きいことを忘れていました。

 

こうして事情聴取を受けている時に、別の警察官が「近くの路上で見つかったのですが、これはあなたのですか?」と私のドイツの滞在許可証とベルリンまでの電車のチケットを渡してくれました。

 

事が起こってから30分も経っていなかったと思うので、非常に驚きましたが、警察によると「犯人の狙いは、現金、クレカ、スマホの3点のみ。他のものは足がつかないように、すぐに捨ててしまう」とのこと。

 

実際、上記3点を除いたほとんどのものが入った私のカバンが翌日、中央駅のホームレースシェルターに届けられていました。

 

案の定、ホテル近くのゴミ箱に捨てられていたそうで。

 

残念ながら、その時には帰路の電車に乗ってしまったので取りにいけなかったのですが、その後、カバンは同じく中央駅の落とし物係に引き渡され、なんとベルリンの自宅まで30ユーロ着払いで、送ってくれました!

 

ちなみに、滞在許可証については、すぐに日本大使館で手続きをしてくれるパスポートとは異なり、再発行に時間がかかる(ドイツの移民局相手な故)上、これがないとEU外への旅行はできないので、すぐに戻ってきたのは本当にラッキーでした。

 

5.損失と教訓

カード類はすぐに止めることができたお陰で、今回の損失は、スマホ2台と現金50ユーロ、20ユーロ位のヘッドフォンのみでした。

 

カード類はすぐに新しいものが送られ、銀行や健康保険などの処理も帰宅してから問題なく行うことができました。

 

しかし、思い出と情報の沢山つまったスマホを紛失したのは痛かったです・・・

 

新しいスマホを購入しなければならず、バックアップを取っていなかったデータもあったので。

 

今回の盗難の教訓は下記のとおりです。

1)所持品は決して離さない!

元をたどれば、カバンを一瞬でも自分の身から離して、ソファに置いてしまったことに非があるわけで。

 

この件以来、旅行時には貴重品はパスポートケースに、それ以外の所持品も肌身離さず持つようにしています。

 

このタイプのケースを愛用しています。

 

スマホもこのタイプのケースに入れて、カバンとは別管理にしました。

 

2)スマホデータのバックアップをとる

盗難にあうまでは、Googleにデータを吸い取られているようで、バックアップはSDカードにしかとっていなかったのですが、今回、スマホが取られたらそれらのデータにもアクセスできない、ということがわかりました。

 

新しいスマホでは、がっつりバックアップをとっています(笑)

 

3)お財布ケータイ的アプリの不使用とカード類のタッチ&ゴー機能停止

今回、被害がこれだけで済んだのは、銀行カードやクレカのタッチ&ゴー機能は外してあり、また、スマホにも「お財布ケータイ」的なアプリは入れていなかったおかげだ、と警察に言われました。

 

これらは便利な機能ですし、コロナ後は特に利用者が多いとのことでしたが、スマホがなくなってしまうと、カード類の停止に時間がかかり、その間に、どんどんタッチして使われてしまう、とのことで、可能な限り新しいカードもこの機能を外しました。

 

カード利用時には、暗証番号を入れれば良いだけなので。

 

4)見知らぬ中東風の人が近づいてきたら警戒する

これは、ベルリンの警察官である友人にも言われたのですが、差別とかそういうこと抜きにして、このご時世では仕方がない、ということだそう。

 

話しかけられても無視、もしくは距離を置いて対応すべき、とのことでした。

 

残念ながら、性善説はヨーロッパでは通用しません。

 

明らかに、ドイツの難民政策は失敗でしたね…

 

5)ドイツ国内の旅行でも、イタリアと同じくらい警戒する(ホテルのロビーでも!)

かつてドイツ国内旅行は比較的安全でしたが、今回の盗難や、昨今のテロ事件などを鑑みると、もはやそれは幻想です。

 

14年間ドイツに住んで、ドイツ国内の色々な場所を旅してきましたが、こんな盗難にあったことは初めてですし、現在ほど治安の悪化を感じたことはありません。(そして、それは日々悪化している)

 

先述しましたが、ホテルのロビーも、頻繁に犯罪現場となっています。

 

後に、デュッセルドルフ在住の方に伺ったところ、事件現場のClayton Hotelでは、今回のように日本人を狙った盗難事件が多発しているとのこと。

 

特に、チェックインしている間に、スーツケースや他の荷物が盗まれたり、とにかく別の方向に意識が向いている一瞬のスキを狙って、犯行におよぶそうです。

 

また、別の友人はケルン大聖堂の前(数年前に難民による集団レイプ事件があったところ)で、警察官の恰好と泥棒の役割をしたグループに5万円盗まれたとか。

 

相手はだいたいグループの犯行で、巧みに近づいてきます。

 

カーニバルは勿論、サッカーの試合がある日や、休暇シーズンなど多くの人が集まる時は、特に要注意です。

 

最後に、やっておいて良かったのは、自宅と夫の電話番号を書いたメモを、お財布とカバンにいれておいたこと。

 

これにより、財布や携帯は盗まれてしまいましたが、カバンを拾った方が自宅と夫に連絡してきてくれました。

 

スマホなどデジタル手段に依存していることを思い知らされた本件でしたが、アナログ手段も有効だと思いました。

 

以上、これからドイツに来られる方、ドイツ在住の方は、私のような目にあわないためにも、どうぞお気を付けて旅をしてくださいね。